経理のコツ

経理処理には、手間やコストを省く、正確性を保つなどの観点で、色々なコツがあります。このコーナーでは、そのコツについて、どうしてそうした方が良いのかという理由と、効果を最大化する具体的な実行方法をお伝えします。

自動引落を使おう

経費の支払いを振込で行う場合、銀行の窓口やATM、オンラインバンキングなどから振込の操作を行う必要があります。また、取引先から送られてくる払込票を使って銀行の窓口や郵便局、コンビニエンスストアなどで支払う場合には、一度現金を引き出す必要があります。支払は月末などに集中する傾向があり、銀行が混んでいれば、相当な時間待つことを覚悟しなければいけません。銀行への往復時間、窓口やATMの待ち時間、振込操作を行う時間を合計すると、結構な時間になっていることに気づきます。

また、支払う金額を確認するのにも時間がかかっています。請求書を確認して、間違いのない金額を振り込まなければなりません。間違った金額を振り込んでしまった場合、差額を追加で振り込んだり、多すぎた場合には返してもらったり、あるいは翌月分で差額を調整したりすることもありますが、こういった作業にかかる手間はもちろん、神経を使うといった要素も見落とすことはできません。後で帳簿をつけるときにも、請求額と支払額が違うと、いちいちその原因を調べなければなりませんので、そういった波及的な作業時間まで考えると、相当な時間を振込のために費やしていることになります。

自動引落にしてしまえば、預金口座にお金が入ってさえいれば自動的に決済されるため、上記のような手間は一切かかりません。支払いに使うための現金を持たなくてよくなるだけでも、大きな効果があります。

また、振込の場合は振込手数料がかかりますが、自動引落では、ほとんどの場合、相手方が手数料を負担していますので、自社の経費節約にもなります。

自動引落ができる取引には、電気代、ガス代、水道代、NHK受信料、新聞代、電話代(固定・携帯)、プロバイダー料金、リース料、クレジットカード利用料金、保険料、共済掛金、社会保険料、コピーのカウンター料金などがありますが、他にも、事務用品ではアスクル、オフィスデポ、大塚商会、宅配便ではヤマト運輸、佐川急便、オフィスセキュリティーでセコムや綜合警備保障、与信調査で東京商工リサーチなどが自動引落に対応しています。また、大手の不動産会社が経営・管理する賃貸住宅や賃貸オフィスでは、その家賃を自動引落にしているケースもあります。

ちなみに当社も、自動引落にできるものは全て自動引落で支払っています。また、お客様からいただく業務処理の代金も、自動引落によって集金させていただいています。

自動引落には、取引先から口座振替依頼書をもらって手続きしなくてはいけないものと、銀行へ行って手続きをすれば開始できるものがあります。現金や振込による支払いが多い会社の場合は、自動引落にできそうな取引先に一斉に問い合わせして、口座振替依頼書を送ってもらってまとめて手続きしてしまうとよいでしょう。
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