経理のコツ

経理処理には、手間やコストを省く、正確性を保つなどの観点で、色々なコツがあります。このコーナーでは、そのコツについて、どうしてそうした方が良いのかという理由と、効果を最大化する具体的な実行方法をお伝えします。

現金の照合

現金(お札とコイン)をなるべく持たない方が経理は楽になるという話は以前書きましたが、顧客からの支払を受け付けるなどの事情で、どうしても現金をなくせない業種の場合、せめてその現金を正確に管理する方法を確立しておきたいところです。

なんと言っても、現金の出入りは自動で記録されません。だからこそ自分で記録しないといけないのですが、記入漏れ、カウントミス、残高不足、ぴったりの金額を持っていないなど、記録した残高が実残高(手元に持っている現金の残高)と一致しなくなる理由はいくつもあり、手間を惜しんでついうっかりやってしまうようなものばかりです。そして、その残高不一致は、後からチェックして修正しようとすると、膨大な手間がかかったり、それだけの手間をかけても分からなかったりすることが多いのです。

まず、現金出納帳をつけます。現金出納帳は、全ての現金の動き(入った、出た)と、その動きの前後の残高を記録するものです。子供の頃につけたお小遣い帳を思い出してもらうとイメージしやすいかと思います。飲食店・小売店など、顧客から現金で売上を受け取る業種向けには、キャッシュレジスター(いわゆる「レジ」)を使うことを強くお勧めします。

コツは、例外なく全ての入出金を網羅的に記録するということです。例えば、銀行口座から1万円下ろして、それを何かの支払に使った場合、面倒なので書くのを省略したくなりますが、あとで照合したりすることも考えて、そういったものも全て省略せずに記載します。

また、現金の管理場所が複数あったり、複数種類の現金(円とドルなど)がある場合、別々の現金出納帳を作成します。なぜかというと、残高の照合がやりやすいからです。換算や合計をして照合するよりも、目の前の数字と目の前の現金の残高を照合する方が間違いが発生しにくくなります。レジがある場合、レジは売上入金だけのために使い、ものを買うためのお金は別管理しておいた方が残高不一致の場合の原因究明がしやすくなります。

次に、現金照合表を作って運用します。

現金照合表は、お札やコインの種類別に枚数を数え、その金種の単価に掛けて合計する形式の表です。例えば、1万円札が3枚、1000円札が15枚、100円玉が27枚ある場合、10,000×3+1,000×15+100×27=47,700円となります。エクセルなどの表計算ソフトで、枚数だけ入力すれば合計金額が自動計算されるように作っておき、区切り(1日の終わり、月の終わり、決算日など)ごとに入力して、毎回、記録として保存しておくとよいでしょう。電子ファイルなので後から改ざんできてしまうという欠点がありますが、改ざんしていないということを証明するため、ガッチリとやるなら電子署名をつける、簡単にやるなら電子メールにそのファイルを添付して決まった相手に報告として送るなどの方法を取ると良いでしょう。
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